私が7月から日本で一カ月ほど夏休みを過ごしていた不在の間に、旧ヤコブ邸に新しい人が入居しました。 まだ入居者とお会いする機会がありませんが、家の居間から見える旧ヤコブ邸の台所に明かりがともっているのが見えます。 旧ヤコブ邸は、監修者の判断から、オリジナルの設計に戻すために、改修工事の時車庫の扉を取り外し、外の公道からトンネルのように車庫を通って、直接庭に行けるようになっていました。 ローマハウスで、一軒だけ他の59軒と違う車庫の構造なので、おかしいと思う住民がいました。 私は、4月に建物が公開された時、車庫が無防備に空いているのに対して、庭の横の壁に付けられた木戸が大変がっしり作られていたので、この二つが不釣り合いな印象を受けました。
入居者があってから、防犯上の問題や見学者や部外者が車庫の中をのぞいたり、無断で庭に入らないように、車庫を全面的に覆うような木の柵が作られました。 所有者側のRealdaniaが建てた柵は、他の住宅の車庫は指定された茶色に塗られていているのに対して、あたりの色と調和しない濃い茶色です。 柵で覆うなら、やはり最初から車庫に扉を付けたほうが良かったのではと思いました。
ローマハウスが建った1950年代は車が贅沢品で、入居者はあまり車を所有していなかったと聞いています。 のんびりした時代から、空き巣が日常茶飯事に起こる物騒な世の中に変わりました。
8月下旬にまたローマハウスの家に空き巣が入りました。 それは、ガラス窓を鉄のバ—ルで開けた乱暴で新しい手口でした。 空き巣にあった家の人は、向かいに住む人に不在にしているので、様子を見て欲しいと頼んでいたということです。
私の家は、外から窓を簡単に開けられないように窓枠に金具を付けています。 主人は、他の家がバールで開けられたという情報を聞いた後、金具では十分ではないという不安にかられ、家に防犯アラーム装置を付ける手続きをしました。
防犯アラームは昨年、ローマハウスで空き巣が頻繁に起こった時、ローマハウスの住民の一人がローマハウスの住民に紹介した警報装置です。 不審者が家に入った場合、家の玄関や居間に設置されたセンサーが感知してアラームが鳴り、家族の携帯電話に空き巣の情報が入る仕組みです。 住民が家から遠く離れた場所に居た場合、アラームが鳴ってもかけつけられません。 警察に通報するだけが、関の山です。 もっとも警察が現場に到着した時、空き巣は家を物色した後でしょう。
10月上旬には、年2回春秋にある木の選定や伐採作業がありました。 共同緑地にある木の伐採は、個人で切ってはいけないので、緑化委員会に打診します。 この委員会が決めることに独断的ではないか、住民の希望や意見を汲まないなど、不満や疑問を唱える住民もいます。 木を切って欲しい一番の希望は、家のあたりにある松の木やブナの木が高く繁って、庭に日が入らないという意見です。 日差しが弱いので、デンマーク人は日本人がいやがる西日も大歓迎です。
緑化委員会の役員は、誰も役員をやりたがる人がいないので、長年同じ顔ぶれです。 退職者のモートンさんが中心になって、活動しています。 モートンさんは、共同緑地は自分の庭のような感覚で熱心に管理の仕事をしていますが、彼のやり方にちょっとやりすぎではないかと言う人もいます。
今回隣人が、私の家の前庭にある2本の松の背が高くなり、庭に日陰を作るので切りたいという意見でした。 前に隣に住んでいた人は、家の周りにある松の葉が屋根に落ちるとか、日陰を作るとかの理由で、高い木が植えてあるのをとても嫌っていました。 この2本の松の木は、隣人からの希望で、高い木を切った後に植えた木です。
私たちは、2本の松は中途半端な高さなので、切ったほうが、庭がすっきりすると思いました。 緑化委員会の意見で、一本を切ったら、かえって庭の空間が中途な感じになりました。 2〜3年すると残りの1本もさらに高くなり、切らなくてはならない運命になるでしょう。
主人は、この何年間広い共同緑地の真ん中に植えられたブナの木が非常に大きくなって、庭に日が陰るので、切って欲しいと緑化委員会に打診を出していますが、毎回拒否されます。
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写真は全て小野寺綾子氏撮影
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