10月下旬になり、朝時々霜が降りたりしてめっきり寒くなりました。 町でダウンジャケットを着ている人も多くなりました。 今年の10月は雨の日が少なく晴天が続き、気候がとても安定していました。
秋の共同作業は、10月6日,7日の土日にあり、大変すばらしい秋晴れに恵まれました。
春秋の共同作業は約一ヶ月前、ローマハウスの緑地管理会から住民にどの木を切ったり、どんな種類の木を植えたいか希望をつのる通知がきます。 もし、屋根や日陰の邪魔になるので伐採して欲しい木があったりしたら、希望を出します。 それを緑地管理会が決め、作業日の一週間前にどこの木を切り、なにを植えるのかなど作業を記入した細かい地図が配られます。
木を切る時は、朝からチエーンソーの音が響きます。 大きな木を切るときは専門の人に依頼します。 今回は「プロフェッサーの階段」と呼ばれる階段の桜や白樺が数本切られました。
「プロフェッサーの階段」という名称は、数年前に亡くなったマーチンというコペンハーゲン大学の心理学の教授がその階段をよく行き来していたことにちなんでいます。 少しカーブのある手すりが付いた階段の入り口に桜の木があり、春は薄いピンク色が綺麗でした。
桜の木や白樺を伐採した理由は木のすぐ脇の家が、日陰なので切って欲しいと要請したようです。 デンマーク人は庭やテラスに太陽が照るのを好みます。電車を待っている間、駅のホームや広場でよく日光浴をしている人が多いです。 日本のように太陽光線が強くありませんから、日本人が大嫌いな西日も大歓迎です。
切った木や枝を住民が道路まで運ぶと、山のようになります。道路に集められた枝は、次の日自治体のトラックが引き取りにきます。
切った木は住民が薪ストーブの薪に利用します。 建物が保存指定にされているので、薪ストーブを設置する場合、居間にストーブを置き、居間の屋根を突き破って新しい煙突をつけてはいけません。 ストーブを玄関に置き、元ボイラー室(暖房管理部屋)にある煙突を通って煙を出すようにします。 暖房は建物が出来た時から床暖房です。 夏など急に寒くなった時、部屋を暖めるに5−6時間かかります。 そんな時薪ストーブがあると、重宝します。
以前隣に住んでいた人は、木が庭の太陽を遮ることや松の葉が屋根に溜まるので、自分の家の前にある古い松の木を全部切ってしまい、さらに私の家と反対側の家の間にある高い松の木5−6本を切って欲しいと緑地管理会に希望を出しました。 私たちが反対したのでその願いは却下されてしまいました。
ローマハウスの家の周りには40年以上前に植えた松が高く成長しています。 高くなりすぎた松を切り、切った後小さい松を植えるようにしています。デンマークは自然災害が少ない国ですが、最近は異常気象のため、数年に一回大型台風並みの嵐がきます。 デンマークの森では、強風のためたくさんの木が根こそぎ倒れました。 ローマハウスでも屋根瓦が傷んだり、木が被害にあいました。
松の葉が屋根に落ちるので年に2回くらい屋根に上って掃除をすると、大きなプラスチックのごみ袋2杯分くらい溜まります。 大雨が降ると樋に松の葉が溜まり、樋から滝のように雨があふれてしまいますので、悪天候の前に樋の点検が必要です。
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写真は全て小野寺綾子氏撮影
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